令和8年熊本地震に関する事後対応と制度融資の検討事例です。
被災状況:600万円超の商品被害と営業の制約
当該企業(熊本県-小売業)は熊本県南部で小売業を複数店舗で営んでいらっしゃいます。
2026年07月28日の熊本県南部を震源としたマグニチュード7の震災で
主たる倉庫及び店内商品の多数が被災し、
商品原価で600万円超と什器や機械設備その他の被害を受けました。
事業活動も余震が続く中での慎重な営業再開、
電力水道その他の動力ライフライン及び
高速道路の通行止めなどのインフラ面の制約を受けました。
初動での緊急対応:金融面での対応、労務面での対応
震災やコロナなど疾病、外国の戦争その他での原油高や金融危機などが起ると、
時を置かずに緊急資金繰り対策による税金等の延納許可や返済猶予相談が始まり、
発生から一定期間を置いて制度融資が設定されることがあります。
そのため、資金面に関しては、
試算表などから現状の資金量で当面の事業が維持できることを確認した上で
まずは社長へ連絡し、必要に応じて連絡を取り合うことを確認。
今後設定されるであろう緊急資金繰り対策の活用を視野に入れ、
同時に労務面の検討も行いました。
労務に関しては、自社都合で従業員を休ませる際の注意点を整理し、
店舗の停電・余震等などが原因で休業する場合などの
休業手当の取り扱いなど概要をご説明。
従業員に過度の雇用不安に感じさせないことも重要なので、
勤務状況の対応は慎重に検討していただくことに。
【実際の相談時のやり取り(一部加工)】

制度融資の設定:8月上旬公表、8月24日申し込み開始。
想定通り8月7日の激甚災害指定後に
緊急時短期資金保証制度の概要が公表された後、
長期借入に対応した熊本県による金融円滑化特別資金が
8月24日申し込み開始として、整備されました。
当該制度の利用に際して金融機関に確認したところ、
企業規模や既存借入が3000万円程ある状況から
2000万円ほどの追加融資が可能(最長10年)ができるとのこと。
ここで選択肢に上がったのは以下の点です。
- 既存借換えを行いつつ増額して借りるか?
- 今回分を別の証書貸付として借りるか?
- 利用しないか?
- 既存の借換えのみ使うか?
当然ながら”4”は今回の資金確保という目的に合わないため、早々に除外。
信用保証協会への保証料がゼロという有利な条件なので、
基本的に利用価値はあると考え、”3”を除外。
“1”と”2”に関しては、
企業のスタンスでどちらでも取れる状態でした。
状況の整理と実際に検討していく内容
“1”の既存の借入(3000万8年残)の借換えを行い
5000万10年返済に一本化する場合、
既存分の金利が現行金利に切り替わり金利負担の増加、
毎月の元金返済額は10万円程度の増加になります。
“2”の今回増額分を別の新規の証書貸付(2000万10年返済)とした場合、
既存分の金利は変わりませんが、
既存分の返済が終わるまで返済元金が17万円ほど増えることになります。
(既存分の返済終了後は31万円ほど楽になる)
既存分の返済負担が過去数年の経営状況では
資金収支の分岐点であったことから、
ここで検討したのは、
- 返済負担が大きく変わる事の資金繰り及び心理的な影響
- 社長の今後への展望
- 社長の御年齢や後継者への引継ぎ方針
です。
最終的な結論としては、金利増加の負担よりも返済ペースの安定を優先し、
“1”の借換え一本化による借入方式を選択することになりました。
借入れの選択は、今後数年間の資金繰りを決める重要事項です
目の前の金利負担を考えると”2″の方が妙味があります。
ただし、それでは震災後の不安定な時期に
大きな返済負担を負うことになります。
当該企業様は自社内で毎月試算表を作り、
このような検討が素早くできる素地が整っていたことから
スムーズな選択を行うことができました。
金融機関の勧めに慌てることなく、
災害時でも自社主導で選択できるように
落ち着いた対応を取っていきたいところです。
金融機関対応のに気になった方はこちらの融資獲得法の記事、
資金繰り改善方法が気になった方はこちらの資金繰りの記事も合わせて
ご覧頂けるとよいかと思います。
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【今回検討した熊本県の震災対応融資制度】

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最後までお読み下さり、ありがとうございました。

